桜舞い散る木の下で。
びっくりしただろう今日2本目だこんばんは
もう完全に桜って季節じゃないんじゃけど
4月に桜の木の下を原付で出勤しとったらとてもステキなことが起きたので唄っていこうと思います
あれは、満開の時期を終えて桜が散り始めた頃のお話
いつも通り原付で出勤しながら頰を切る風と遊んでいた俺はいつも通り近道である細道を通った
見慣れた道、見慣れた掃除のおばさん。
いつも通りおばさんと肩を組みニューヨーク式の挨拶を終わらせ再び会社へと向かう予定だった
だが今日は見慣れたのはおばさんだけだった
いつもの道が舞い散る桜の花びらで一面ピンクに染まっていたのだったのだ
雨とは違い下に落ちたと思いきや、再び下からの風を受けふわっと浮き上がる
なんと例えればいいのかわからない
それほどそこには美しい景色が広がっていた
思わず原付のスピードを緩めた
桜の花びらが頰にくっつく
優しい
なんと優しい一撫でなのだろうか
しかもこれは一年でたった1回しか見れない景色なのだ
明日になっても舞い散ってはいるだろうがこんなにピンクにはならない
それぐらい真っピンクだった
満開を超えてもなおその散り際は満開ほど美しい
そのような人生を送りたいと俺は心に強く思った。
その美しい景色を俺は決して忘れないだろう
そう思った
そして俺は頰についた花びらをそっと手に取った
虫の死骸だった